不動産業向け 敷金精算書テンプレート
敷金精算書は、退去時に敷金からいくらを差し引き、いくらを返すかを示す書類です。
民法では、賃貸借が終了して物件の返還を受けたとき、敷金から未払いの債務を差し引いた残額を返還することが定められています。差し引く内容の中心は、原状回復にかかる費用です。
原状回復の負担については、国土交通省のガイドラインが考え方を示しています。このテンプレートは、その考え方に沿って負担区分と減価を示せる形にしたものです。
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このテンプレートは誰向けですか
- 原状回復の負担区分を根拠つきで示したい方
- 経過年数による減価の計算を残したい方
- 退去精算の説明を短く済ませたい方
どのような場面で使いますか
退去の立会いのあと、見積りが揃った時点で作成します。入居時の写真と並べて説明すると、話が早く決まります。
含まれる項目
このテンプレートには、次の項目が入っています。不要な項目は削除して構いません。
- 区分
- 箇所・項目
- 状態
- 負担者
- 金額(円)
- 耐用年数
- 経過年数
- 負担割合
- 借主負担額(円)
- 根拠
Excel画面のプレビュー
実際のファイルの記入例シートです。
| 敷金精算書 【記入例】 | ||||||||||
| 商号・名称 | 株式会社○○不動産 | |||||||||
| 物件・部屋番号 | ○○コート 305号室 | |||||||||
| No | 区分 | 箇所・項目 | 状態 | 負担者 | 金額 (円) | 耐用 年数 | 経過 年数 | 負担 割合 | 借主負担額 (円) | 根拠 |
| 1 | 預り金 | 敷金(賃料1か月分) | 2022/4/1 受領 | — | 108,000 | — | — | — | — | 契約書第5条 |
| 2 | 未払金 | 2026年8月分の日割賃料 | 8/1〜8/31 精算済み | — | 0 | — | — | — | 0 | 未払いなし |
| 3 | 原状回復 | 和室の畳(6畳・表替え) | 日照による変色 | 貸主 | 36,000 | — | — | 0% | 0 | 経年変化のため貸主負担 |
| 4 | 原状回復 | リビングのクロス(1面) | たばこのヤニによる変色 | 借主 | 24,000 | 6 | 4.4 | 27% | 6,480 | ガイドラインの考え方による |
ファイル形式
| 形式 | Excel(.xlsx) / PDF(印刷用) |
|---|---|
| 対応 | Microsoft Excel 2016以降 / Googleスプレッドシート / LibreOffice Calc |
| 用紙 | A4に収まるよう印刷範囲を設定済み |
| シート | 説明 / 記入用 / 記入例 / A4印刷用 |
| マクロ | 使用していません |
| ファイルサイズ | Excel 約 14 KB |
| 更新日 | 2026年8月23日 |
| 利用料 | 無料(会員登録は不要です) |
入力方法
- 上部の基本情報を埋めます。商号・名称・物件・部屋番号・借主などの欄を先に入れてください。
- 使わない列を削除します。自社で記入しない項目は、残しておくと空欄が並ぶだけになります。
- 1行に1件ずつ記入します。記入例シートを見ながら書くと、書き方が揃います。
- 気づいたことは備考に残します。後から見返したときに、数字だけでは分からない事情が伝わります。
- 区切りのよいところでファイルを分けて保存します。月ごと・工事ごとに分けると、後から探せます。
カスタマイズ方法
- 項目の追加・削除は自由です。ロックはかけていないため、自社の運用に合わせて変更できます。
- 提出先から様式の指定がある場合は、指定された様式が優先されます。この様式は、指定が無い場面や下書きとしてお使いください。
- 会社名やロゴを入れる場合は、ヘッダーの行に足してください。印刷範囲は自動で調整されます。
- A4印刷用シートは、手書きで記入する前提で行を高くしてあります。列を増やしたときは、印刷範囲の確認をおすすめします。
利用上の注意
- 民法は、賃貸人が敷金を受け取っている場合、賃貸借が終了し賃貸物の返還を受けたときに、受け取った敷金から未払債務の額を控除した残額を返還しなければならないと定めています。
- このテンプレートは、法令が求める記載事項と、実務で求められることが多い項目を整理した参考様式です。特定の団体が定めた様式そのものではありません。
- 提出先から様式や記載事項の指定がある場合は、そちらが優先されます。
- 法令の要件や金額の基準は改正で変わることがあります。判断の前に、所管の官庁等で最新の内容をご確認ください。
書き方と運用のポイント
敷金精算書に載せる項目
敷金精算書に載せる項目は、次の4つです。
| 分類 | 中身 |
|---|---|
| 預り金 | 敷金の額、契約時の内訳 |
| 控除する項目 | 未払賃料、原状回復費用、清掃費用 |
| 原状回復の内訳 | 箇所、状態、負担者、金額、経過年数による減価 |
| 返還額 | 差引後の金額、振込先、振込予定日 |
負担者の欄を項目ごとに設けます。合計金額だけを示すと、なぜその額なのかが伝わりません。
原状回復の負担の考え方
国土交通省の原状回復をめぐるトラブルとガイドラインでは、原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義しています。
この考え方に沿うと、負担は次のように分かれます。
- 通常の使用による損耗・経年変化 … 賃貸人の負担
- 故意・過失、通常の使用を超える使用による損耗 … 賃借人の負担
ポイントはここです。日照による畳の変色や家具の設置による床のへこみは1つ目、たばこのヤニによる変色やペットによる傷は2つ目に整理されることが一般的です。
経過年数による減価
賃借人の負担となる場合でも、全額を負担するとは限りません。ガイドラインでは、設備等の経過年数を考慮し、価値の減少を反映させる考え方が示されています。
たとえば耐用年数が6年とされるものについて、4年入居していた場合、残存する価値の割合に応じた負担となります。
実務では、次の形で示している会社が多くあります。
- 対象、耐用年数、経過年数、負担割合を1行で並べる
- 計算の根拠を精算書に書く
- ガイドラインの考え方に沿っている旨を明記する
計算の過程が見えると、説明が短く済みます。
精算の時期と方法
敷金の返還は、賃貸借が終了して物件の返還を受けたあとに行います。契約書に精算の期限を定めている場合は、その期限までに行う形になります。
実務では、次の流れが広く使われています。
- 退去の立会いを行い、状態を双方で確認する
- 見積りを取り、負担区分を整理する
- 精算書を作成して借主に説明する
- 合意が得られたら振り込む
立会いのときに写真を残しておくと、後から状態を確認できます。入居時の写真と並べて示すと、話が早く決まります。
よくある質問
ハウスクリーニング費用は借主の負担にできますか。
特約として定め、借主がその内容を理解して合意している場合に、負担とすることがあります。特約がない場合は、通常の清掃は賃貸人の負担と整理されることが一般的です。契約書の特約の有無を確認する形になります。
借主が精算内容に納得しない場合はどうしますか。
負担区分の根拠と計算の過程を示して説明する形になります。それでも折り合わない場合は、消費生活センターや紛争処理の窓口が案内されることがあります。