不動産業向け 物件概要書テンプレート
物件概要書は、その物件の情報を1枚にまとめた資料です。販売図面、マイソクと呼ばれる資料の元になる情報でもあります。
法令で様式が決まっているわけではありません。それでも整った形で持っておくと、案内のたびに調べ直す手間がなくなります。重要事項説明の下調べにもそのまま使えます。
このテンプレートは、後の重要事項説明で必要になる項目を意識して並べたものです。
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このテンプレートは誰向けですか
- 案内のたびに物件情報を調べ直している方
- 重要事項説明の準備を前倒しで進めたい方
- 調査の出所を残しておきたい方
どのような場面で使いますか
媒介契約を結んだ時点で作り、条件が変わるたびに更新します。社内で情報を整理するための資料です。
含まれる項目
このテンプレートには、次の項目が入っています。不要な項目は削除して構いません。
- 取引の種別
- 取引態様
- 物件種目
- 権利形態
- 物件の名称
- 所在(住居表示)
- 地番・家屋番号
- 調査日・出所
- 交通
- 所要時間の算出
- 価格
- 価格の改定履歴
- 土地面積(登記/実測)
- 敷地権の割合
- 地目
- 地勢
- 専有面積
- バルコニー面積
- 間取り・方角
- 所在階/総階数
- 建物構造
- 築年月
- 延床面積(建物全体)
- 総戸数
- 都市計画
- 用途地域
- 建ぺい率・容積率
- 防火・準防火地域
- その他の法令上の制限
- 前面道路
- 道路種別・接道長さ
- 私道負担
- セットバック
- 上水道・下水道
- 電気・ガス
- 駐車場
- 駐輪場・バイク置場
- 所有者
- 抵当権等
- 管理形態
- 管理会社
- 管理費・修繕積立金
- 滞納の有無
- 修繕積立金の総額
- 大規模修繕の予定
- 主要な設備
- 不具合
- 固定資産税・都市計画税
- 引渡時期
- 現況
- 告知事項
- 周辺環境
- レインズ登録日
- 広告掲載の可否
- 未確認の事項
- 確認の予定
- 最終更新日
- 次回の見直し
Excel画面のプレビュー
実際のファイルの記入例シートです。
| 物件概要書 【記入例】 | |||
| 商号・名称 | 株式会社○○不動産 | ||
| 物件番号 | B-2026-042 | ||
| 項目 | 記入欄 | 項目 | 記入欄 |
| 取引の種別 | 売買 | 取引態様 | 媒介(専任) |
| 物件種目 | 中古マンション | 権利形態 | 所有権 |
| 物件の名称 | ○○マンション 301号室 | 所在(住居表示) | 東京都○○区○○2-4-6 |
| 地番・家屋番号 | ○○区○○2-4-6-301 | 調査日・出所 | 2026/8/12 法務局 |
ファイル形式
| 形式 | Excel(.xlsx) / PDF(印刷用) |
|---|---|
| 対応 | Microsoft Excel 2016以降 / Googleスプレッドシート / LibreOffice Calc |
| 用紙 | A3に収まるよう印刷範囲を設定済み |
| シート | 説明 / 記入用 / 記入例 / A3印刷用 |
| マクロ | 使用していません |
| ファイルサイズ | Excel 約 15 KB |
| 更新日 | 2026年9月10日 |
| 利用料 | 無料(会員登録は不要です) |
入力方法
- 上部の基本情報を埋めます。商号・名称・物件番号・作成日などの欄を先に入れておくと、後から探すときの手がかりになります。
- 項目を上から順に埋めます。記入例シートに書き方の例が入っています。
- 該当しない項目には「該当なし」と入れます。空欄のままだと、書き忘れなのか該当が無いのかが後から判別できません。
- 提出前に日付と氏名を確認します。この2つが抜けていると差し戻しの原因になります。
- 控えを保存します。ファイル名に日付を入れておくと、後から経過を追えます。
カスタマイズ方法
- 項目の追加・削除は自由です。ロックはかけていないため、自社の運用に合わせて変更できます。
- 提出先から様式の指定がある場合は、指定された様式が優先されます。この様式は、指定が無い場面や下書きとしてお使いください。
- 会社名やロゴを入れる場合は、ヘッダーの行に足してください。印刷範囲は自動で調整されます。
- A3印刷用シートは、手書きで記入する前提で行を高くしてあります。列を増やしたときは、印刷範囲の確認をおすすめします。
利用上の注意
- このテンプレートは、法令が求める記載事項と、実務で求められることが多い項目を整理した参考様式です。特定の団体が定めた様式そのものではありません。
- 提出先から様式や記載事項の指定がある場合は、そちらが優先されます。
- 法令の要件や金額の基準は改正で変わることがあります。判断の前に、所管の官庁等で最新の内容をご確認ください。
書き方と運用のポイント
物件概要書に載せる情報
物件概要書に載せる情報は、次の5つに分かれます。
| 分類 | 項目 |
|---|---|
| 物件の特定 | 所在、地番・家屋番号、物件種目、名称、交通 |
| 物理的な情報 | 土地面積、専有・延床面積、構造、階数、築年月、間取り、方角 |
| 権利関係 | 所有者、権利形態、抵当権などの登記 |
| 法令上の制限 | 都市計画、用途地域、建ぺい率、容積率、防火地域、その他の制限 |
| 道路 | 前面道路の幅員と方向、道路種別、接道長さ、私道負担、セットバック |
| インフラ・設備 | 上水道、下水道、電気、ガス、駐車場、主要な設備と不具合 |
| 取引の条件 | 価格、固定資産税等、引渡時期、現況、告知事項、取引態様 |
法令上の制限の欄を最初から持たせておくと、重要事項説明の準備が早くなります。案内の段階で調べておいた内容が、そのまま使えます。
土地・戸建てのときに変わる欄
物件概要書には法令で定まった様式がありません。それでも項目がほぼ共通しているのは、重要事項説明で説明する内容が同じだからです。物件種目によって変わるのは、次の欄だけです。
| 物件種目 | 特に埋める欄 |
|---|---|
| 土地 | 土地面積(登記・実測)、地目、地勢、私道負担、セットバック、接道長さ |
| 戸建て | 上に加えて、建物の構造・延床面積・築年月・増改築の履歴 |
| マンション | 専有面積(壁芯)、バルコニー面積、敷地権の割合、管理形態、管理費・修繕積立金、総戸数 |
土地と戸建てで最も抜けやすいのは、接道の欄です。 幅員だけを書いて道路種別(建築基準法42条1項1号など)と接道長さが空欄のままだと、再建築の可否がその場で判断できません。この3つはまとめて調べて、まとめて書きます。
物件概要書と広告のきまり
物件概要書をもとに広告を作るときは、表示のきまりに沿う必要があります。不動産の表示に関する公正競争規約では、必ず表示する事項や、使ってはいけない表現が定められています。
一般には、次の点を確認している会社が多くあります。
- 取引態様(売主、代理、媒介)を必ず表示する
- 徒歩の所要時間は、80メートルにつき1分として計算する
- 「完全」「絶対」「日本一」といった断定的な表現を使わない
- 実際に取引できない物件を広告に載せない
ポイントはここです。物件概要書の段階で正確に書いておくと、広告を作るときに直す作業が減ります。
情報の出所を残す
物件概要書の情報は、複数の出所から集まります。登記事項証明書、公図、役所の調査、売主からの聞き取り。どこから得た情報かを残しておくと、後から確認するときに役立ちます。
実務では、次の形にしている会社が多くあります。
- 項目ごとに、調べた日と出所を書く欄を持たせる
- 売主からの聞き取りは、その旨を明記する
- 未確認の項目には「未確認」と書き、空欄にしない
3つ目が効いてきます。空欄だと、調べていないのか該当がないのかが分かりません。
物件概要書を更新する
物件概要書は、募集の期間中に内容が変わることがあります。価格の変更、設備の故障、周辺の状況の変化。
一般には、次のタイミングで見直している会社が多くあります。
- 価格や条件を変更したとき
- 現地を再訪したとき
- 募集を開始してから一定の期間が過ぎたとき(3か月など)
更新日の欄を持たせておくと、いつ時点の情報かが分かります。古い情報のまま案内すると、現地で説明が食い違います。
よくある質問
そのまま販売図面として使えますか。
この様式は社内で情報を整理するためのものです。販売図面として配布する場合は、表示のきまりに沿った内容と体裁に整える形になります。
賃貸と売買で様式を分けますか。
共通の項目が多いため、1つの様式に取引の種別の欄を持たせている会社が多くあります。賃料と価格の欄を両方持たせ、該当しない側に斜線を引く形が扱いやすくなります。